トカゲ剣兵で・・・

 先日、ある方から「トカゲ剣兵で勝つ事は出来ませんか?」という質問を頂きました。

 なかなか深い、そして意義ある質問だと思います。

 私は学生時代、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)にはまって、大学時代には五人の友人宅および自宅を皆で泊まり歩いて、一週間くらいにわたってひたすらプレイしたりしたくらいですし、今でもオリジナルシステムを作ってプレイしている程好きです。
 そして、日本で始めて(と、いうよりも世界で初めてでもありますが)TCG(トレーディングカードゲーム)という分野がマジック・ザ・ギャザリングによって生み出されてからは、ずっと、今でも楽しくプレイしております。

 まず、そこで私の考えからいえば、娯楽、とくにテーブルゲームとされる分野で、コミュニケーションゲームと呼ばれる、相手がいて、初めて成立するゲームというものをプレイする時には、何よりも「楽しむ」事こそがその目的となり、あえていえば、それが出来た場合に勝者となると思っています(だからゲームの参加者全員が自分が勝者と素直に思えるゲームはザラにあります(笑))。

 例えをあげれば、同じ娯楽でも、そこがテレビゲームと大きく異なる部分だと思います。
 携帯ゲームなどが普及して、一見協力プレイも出来るゲームが増えましたが、その本質は「一人で遊ぶ事が出来る」というのがテレビゲームであり、友人と会わなければプレイする事自体が出来ないテレビゲームはまずないでしょう。
 そうなると、当然ですがその目的は「共に楽しむ」ではなく、「自分の満足度」が最優先され、結果として「勝つ事のみが目的」になってしまいます。
 これ自体は別に悪くもなんともなく、むしろ一人遊びが出来るテレビゲームは、その個人的自由度ゆえにもてはやされたわけでもあります。

 でも、コミュケーションゲームでは大きく状況が変わります。

 対戦相手や、ともにプレイする仲間がいなければ成立せず、何度も集まって遊ぶ為には「共に楽しむ」事が必要不可欠となるわけで、「自分の満足度」を優先されてしまえば、自然と一緒に楽しむ事は出来なくなってゆきます。
 ちょっと面白いのが、いつでも「自分一人でも楽しめる」要素をもつテレビゲームの場合、利害の一致から「自分の満足度」優先でも、結果として「共に楽しんだ」状態に出来る事です。
 でも、この場合、相手にあわせたり、相手の為に何か用意したり、自分の満足度を低下させてまでにはならないのが一般的で、逆にテーブルゲームでは、皆で楽しむ事が上位となり、皆で楽しんだ事が、自分の満足度につながってゆく訳です。
 「共に楽しむ」と「共に楽しんだ」は決定的に違うもので、一見した感じでは一緒の事をしているようで、実は真逆の発想だったりします(この違いは優劣を示しません、それだけになってしまうのは流石に問題ですが、あくまで方向性の違いなだけです、念のため)。

 さて、なにやら話しがそれてしまいましたが、この「トカゲ剣兵で勝つ事が出来るのか?」という質問について、単純に対戦において「トカゲ剣兵で相手の最後のユニット、または城コインをブレイク」した状態を勝ったとするなら、徹底した殲滅型デッキをくみ上げ、1体だけ「トカゲ剣兵」を入れ、最後の一撃の為だけに「トカゲ剣兵」を出撃させる事によって解決します(かなり難しいですが、まったく不可能でもないでしょう)。
 でも、その場合、「トカゲ剣兵でなくても良かったのでは?」という疑問がつきまとう事でしょう。

 ただ相手に勝利する事だけが目的であり、前述のケースにおけるテレビゲームのように勝つ事のみが優先されるのならば、それ以外の結論は出しづらいですし、理解するのも困難になってしまうでしょう。
 
 しかしながらバトルブレイクはテーブルゲームであり、コミュニケーションゲームです。
 ただ、プレイに勝利する事ではなく、ゲームのプレイそれ自体を、つまり過程や思考、背景などを「楽しむ」事が大いに出来ますし、また推奨すらされます。

 強いユニットにおんぶに抱っこではなく、「トカゲ剣兵」を活躍させる為だけのデッキの作ってプレイしてみる楽しみがありますし、相手は融通も相談も出来ないプログラムなどではなく、目の前にいる同好の士です。
 そういったテーマデッキで遊びたいのだけど、どうかな?と話し合う事が楽々と出来ます。
 バトルブレイクというテーブルゲームそのものを楽しんでいる方なら「そういう事なら、俺もエイリアン調査隊デッキでも作ってくるかな」という事も出来るでしょう。

 わざわざバトルブレイクにはバックストーリーが用意してあるのです、エイリアンの先遣部隊と、ガイアのトカゲ部隊の小競り合いがあったとしてデッキを構築すれば、おのずと選択されるフィギュアは限られてきますし、小規模戦闘ですから、ユニットを6体にしたり、コインを5枚だけでプレイしたりするのもいいでしょう。
 または、第2弾のストーリーの再現で、休戦協定を受け入れた獅子王を無視してエンパイアに突貫した暴虎王は手勢を率いての独断先行だったはずなので、暴虎王とトカゲ部隊対、エンパイアの前線部隊というテーマにすれば、やはり限られたユニットからの選択となってきませんでしょうか?
 
 プログラムに命令された通りに従うのではなく、自由に発想し、相手と大いに談笑しながらプレイ環境すら含めて楽しめるのがテーブルゲームです。

 こうして「トカゲ剣兵」を使ってバトルブレイクを満喫して楽しんだなら、それは「トカゲ剣兵を使って勝った」事と同意語になるでしょう。
 テーブルゲームにとって勝った人とはつまり、皆で楽しんだ人、皆を楽しませた人の事をさすのですから。
 
 それに、こうした背景を考えたり、ある程度の制限をつけるのは、別に特別な事を提唱している訳ではありません。
 だって、そもそもスターターセットですら、4体、コイン10枚のルールを説明しているわけで、そんなに肩肘はってプレイしなくてもいいのがテーブルゲームな訳です。


b0228905_1846352.jpg



 もちろん、テーブルゲームといえども、公式ルールにのっとり、大会に出場した時にはもちろん、優勝する事が皆の目的となるわけですから、今度はより強いユニットを選択しプレイする事が推奨されます。
 プレイそれ自体はどのユニットを使用しようが、どんな環境を選択しようが真剣にするのが礼儀ですが、大会では、「勝つ事」という条件のユニット選択の制限が設けられる訳です。

 この時に「トカゲ剣兵」を選択すべきか?と聞かれたなら、私は素直に、すくなくとも現状環境下では難しいと答えます。
 ただ、「トカゲ剣兵」の造形や設定をいたく気に入っているので、1体いれて、なんとか勝ちに行きたいといわれたなら、残りの9体の選択肢を一生懸命考えます。
 直接的なコラボレーションがなくても、デッキに愛すべきユニットを入れておくのは、モチベーションアップにつながりますし、それは勝利を呼び込む事すらありえるのは、マジック・ザ・ギヤザリングでもいやというほど見ています。
 効率がすべてではないのが「運」の要素がはいったテーブルゲームです(もちろん、限界はありますが(笑))。

 でも、日本ではTCGが中心となっているこういったコミュニケーションスタイルのテーブルゲームですが、こういったようにシチュエーションにあわせてカードを選択し、普段の大会では使われないカードが山のように存在するのはごく当たり前の話となっています。

 子供さんの間で人気のある「遊戯王」など、大会に出て優勝を目指すという話をするなら、ちょっとパックを買って当たったカードでデッキを作るなどほとんど不可能ですし、高額レアカード、限定カードやら特典カードやらのオンパレードです(ほんの数枚の違いが出る程度が主な流れだといえます)。
 でも、プレイしている方は当然のように受け入れて遊んでいます。

 まぁ、極端な例をだしてはいますが、楽しみ方の提供という部分においては、様々なユニットがあるのはフィギュアゲームとしてはそれほど苦になりませんし、そうした状態の遊戯王などにくらべても、まだ楽しみ方が残せる分、いいのではないかな?とすら思います(念のために言い添えますが、遊戯王を何も否定していません、あくまで比較論として知名度の関係から引き合いにだしただけです。過激な反応をされる方もいるので、念のため)。

 バトルプレイクは、10体のユニットと10枚のコインという、極めてシンプルなルールをデザイナーさんが用意してくださったので、楽しみ方のバシリエーションは本当に多岐にわたります。
 先ほど説明したテーマデッキもそうですが、ノーマルユニットだけでデッキを組んでみたら?レベル制限をもうけてみたら?コインの枚数を調整したみたら?能力の解釈をかるく調整してみたら?などなどちょっと考えただけでも、いくらでも楽しみ方は思いつきます。

 そうした楽しみは「トカゲ剣兵」などのユニットがいるおかげとも言えるのではないでしょうか。
 
 友人と、またはバトルブレイク仲間と、大いに語らって、その場の軽いノリで簡単な制限をつけてデッキを即興で組んで、プレイしてみて下さい。
 思ったよりもずっと楽しいと思います。

 そして、さらにいえば、そういった自由な発想で普段から楽しんでいるなら、それはユニットの性能や自分のプレイの癖、ユニットのゾックに対する感性や思考のあり方などの経験を積み上げる事になり、大会用の勝つ為のデッキを構築する時、または大会中のプレイングなどに、実は相当有利に働いたりするものです。
 
 定番や攻略ルートがないのがテーブルゲームで、だからこそ面白いのだと私は思います。

 是非、「トカゲ剣兵」で楽しんで頂きたいと思います。
[PR]
by Coeurlcall | 2011-08-03 18:46 | ユニット評価
<< バトルブレイク、お祭りイベント バトルブレイク劇場(笑)。襲い... >>